最後の山場が、近づいた。
舞台の準備が、迫ってしまった。

ここに記すのも女々しい、馬鹿馬鹿しいことだが。

僕は、自分のしかけた罠に陥った。
最後は、自分で自分の首を、絞めたといえる。
この窮地を逃れるのは、最後の自分の決断しかないだろう。

それにしても。

辛い恋をしてきた。
僕の恋はまず実らなかった。

立場もあった。
友達もいろいろいた。
でも、最後に賭けていたのは、常に一人だった。

でも、その一人が、どうしても振り向いてくれなかった。

そのためだけに、賭けていたといっていい。

その最後の一人が振り向いてくれるのを、
ずっと待っていたのだ。

恐らく、もう半分以上、黒星と出てしまっているが。

しかし、ぼくも、男。

最後に、人知れず、勝負に出よう。

そして、あの子に、思いのたけをぶつけよう。

そして、すべての運を、彼女にまかせよう。

駄目でも、いい。

負けて、晴れて、堂々とするがいい。

僕は、あの子の未来と幸せを信じて、

良かれと思うことを貫き通してきたのだから。

そのために、ワガママもあったけど。

もしも負けても。胸を張って。全力でいこう。

男は、別れ際も、最後に笑顔だ。

過去の自分が去って、

もう一人の自分にまた、会えることを信じて。

元気に、胸を張って。

思いのたけを、ぶつけていこう!

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